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デザインあ展 neoに行ってきた ― 体験型展示で気づきを得る「動詞」の世界

デザインあ展neoの会場に上がるところ おでかけ

「デザインあ展 neo」にやっと行けました!

本展のテーマは「動詞」。2週間ほど前に訪れた佐藤雅彦展がアカデミック寄りだったのに対し、本展は頭より五感を使う展示が中心でした。

展示というと「見るもの」という印象がありますが、「動詞」というテーマの通り、体の動きで楽しむ体験が充実。

前回2018年のデザインあ展も行きましたが、その時はこうした体験型ではなかった記憶で、コンセプトの違いがはっきり出ていました。

※これから行く人で前知識入れたくない場合は、後から読むことをオススメします。

実際に遊んでみる鑑賞がたくさん

頭よりも身体をつかうコンテンツが多く、普段は意識しない身体感覚を改めて認識させられます。遊びながら気づきを持ち帰れる仕組みとなっていました。

以下にピックアップするのは、特に印象に残ったコーナーです。

「こわすとなおす」の立体パズル

こわすとなおす

普通に真剣になってしまったのが「こわすとなおす」のコーナー。壺のような立体パズルを組み立ててから壊す!という体験です(タイトル的に逆な気がしますが)。

偶然にも最大サイズの一番難しいパズルに案内されて挑戦しました。こんな立体パズルができる機会はないので嬉々としてチャレンジ。結構難しい!

他のサイズを終えた通りすがりの人が「あの大きいのは一人じゃ無理じゃない?」と話す中、まもなくひとりで完成させることができて満足です笑

パズル完成

しかし後から写真を見返して気づきましたが、これ上下逆ですね。上に広がる形状の壺だったのね!

最後は壊して、次の挑戦者へバトンタッチです。

謎オブジェからのアハ体験「もちごこち」

持ってみるまでわからない謎のオブジェ

こちら、赤と青の指を置く溝がついた謎の抽象オブジェ。見るだけではなんだかわからず「?」と思いましたが、実際に持ち上げて手を添えてみました。

すると、「あ、これは湯呑みだったのか!」「これはつまりパンか!」と自分の手の所作から理解できました。

手を動かすことで初めてもたらされるアハ体験が、まさに体験型展示ならでは。シンプルながらも強く記憶に残りました。

形に残る「デッサンあ」

「デッサンあ」体験の様子

モチーフをぐるっと囲んで行うデッサンの体験コーナー。角度ごとのデッサンをパラパラ漫画のようにすると回転して見えて面白いです。

ここでは「デッサン」という行為そのものの「見る(観察)+描く(動作)」という体験をさせているように思いました。普通に生活している人はデッサンすることが非日常ですからね。

これのすごいところが、自分の描いたデッサンが会場スクリーンに映し出されるだけでなく、特設サイトにアーカイブされること! よくできているサイトだ。

No.278597 | デッサンあ
デッサンあ特設サイト。ひとつのモノをぐるりと囲んでデッサンし、ひとそれぞれのいろいろな見方や表現を楽しみます。

(絵の練習、したいなぁ……。)

DJインタラクション「DO IT!」

展示を締めくくる大型シアターは、会場参加型のコーナーでした。特に面白いのがDJコーナー。スクリーンの指示に合わせて単純な動きを繰り返すと、映像によってその動作が様々な場面に変換されます。

「交互に下ろす」の動作が肩叩きに変換される

このコーナー、見ているだけと一緒にジェスチャーしてみるのとでは全く体験の質が違います。本展全体に言えることですが、ソロでも恥ずかしがらずに実際に体を動かさないと損です!!

映像と音が自分の動きとシンクロすることで、見せられている事象が一気に「自分のもの」になる感覚は、やってみるとかなり面白かったですよ。

発見を日常に持ち帰ろう

帰り道の「あ」

紹介した以外にも面白いコンテンツが盛りだくさん。人によってそれぞれ気に入るものがありそうです。

今回の展示で一貫していたのが、体験を通して来場者に気づきを与えること。動作によって具体を理解したり、一つの動作に多様な意味があることを発見できたりしました。

テーマ的に日常がモチーフの中心だったこともありますが、展示鑑賞で完結するのではなく日常生活の中でも学びが続く(むしろそちらが本番)のが、よくある展覧会と異なる点だと思います。

展示一つひとつも面白かったですが、企画展全体としてのデザインの完成度の高さもさすがでした。

exhibition-ah-neo.jp
「デザインあ neo」のコンセプトをベースとしながら、デザインの視点や考え方を体験できる展覧会
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